アリス図書館‡QUEEN
しかし、それくらいでイオンがたじろいだりなんかはしない。
相変わらずニコニコとしている。
「別に寂しくないわよ。
私は願いを叶えてあげる。あっちは叶えてもらう。
ただそれだけの関係よ」
「・・・そうですか」
「それより、人形の在りかはわかったの?」
アリスの問い掛けにイオンはスッとフランス人形を差し出した。
それは前回のあの人形・・・。
「隣町の民家にありました」
受け取ったアリスはじっと人形を見つめた。
「・・・中身は?」
「私が見つけた時には抜け殻でした」
「そう・・・」
あのあと人形はアリスの前からいつの間にか無くなった。
イオンに捜させ、昨日やっと見つかったのだ。
「居場所を点々と変えるなんて・・・よっぽど姉に会いたかったのかしら?」
「さあ?姉以上にわかりにくい奴ですから」
「そうね・・・・・・そうそう。
聖夜の事だけど、次の依頼で聖夜を元の居場所に戻すわ。妹も待っているでしょうし」
「わかりました」
「・・・次が・・・最後・・・」
そう呟いたのは誰か・・・?