アリス図書館‡QUEEN
「はい。大した物じゃないけど・・・」
「いや、美味いよ」
出されたベーコンエッグなんかを食べながら素直に褒めればハニカミながら美里は嬉しそうに笑った。
「そういえば、どうしたんだ今日は?何か約束していたか・・・?」
もしそうなら自分はその約束を忘れてしまっている・・・。
恐る恐る聞いてみれば、美里は首を横にふる。
「んじゃあどうした?」
「・・・あのね?私・・・ストーカーにあってる、の・・・」
「ストーカー?」
言いにくそうに言った美里の言葉に、七瀬は一瞬で刑事の目になった。
「いつから?」
「・・・数週間前・・・ぐらい」
「そんなに前からかよ・・・なんで今まで黙ってた?」
「だって、そのうちやめるだろうと思って・・・七瀬くん、忙しそうだったし・・・」
まあ、七瀬が忙しかったのも事実だ。
「・・・最初は、大学で誰かに見られている気がして・・・でも、気のせいかとも思っていたんだけど、そのうち家の中でも視線を感じるようになって・・・。
そしたらその数日後、今度は郵便受けに写真が入ってて・・・」
「写真?その写真、持ってきてるか?」
「うん・・・」