アリス図書館‡QUEEN





『じ、実は、七瀬さんが病院に・・・』



「!?」






思わず音をたててしまいそうになり、慌てて落ち着かせる。


ホントかどうかは、まだわからない。






『犯人と銃撃戦になって、民間人を庇って撃たれてしまったんです』



「・・・・・・」






まさか、と美里はまだ信じられなかった。


だが、もしそれが本当なら?


美里がとった行動は・・・・・・。






「・・・今、開けます」



『よかった。部屋にいたんですね』






見なくてもわかるぐらい、ほっとした声で長谷田と名乗った男が言った。


美里はドアに再び近づくと、チェーンを外し、鍵を開けた。






「・・・・・・えっと・・・」






そっ、と顔を覗かせると、長谷田は警察手帳を見せた。






「七瀬さんが待っています。急ぎましょう」



「・・・はい!」






警察手帳があったことに、美里は長谷田を信じ、一緒に車に乗り込んだ。


・・・一瞬、口元に笑みを浮かべた長谷田だったが、シートベルトをしていた美里は気づくことなかった。





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