アリス図書館‡QUEEN





―†警察署†―





「・・・・・・」






イライラとしながら道のガードレールに腰掛け、タバコを吸っていた七瀬。


その迫力に、道行く人々は思わず距離をとって歩いていく。






「七瀬さん、廻りの人達が恐がってんスけど」






呆れながら飯田が言えば、だから?と機嫌悪そうに七瀬は飯田を睨む。


ヘタすりゃ警察より、ヤのつく人に見える七瀬にヒッ!とビビりながらも、飯田は聞き込みをした内容を伝える。






「何処も同じ。図書館は知らないそうです。都市伝説として、若者達の間で流行ってるって事しか」



「チッ。何が都市伝説だ」






ポケット灰皿を取り出しタバコを消しながら、七瀬は立ち上がる。






「幽霊じゃあるまいし。人間だよ人間」



「でも、実際図書館の目撃証言はありませんよ」



「たまたまだろ」






んなアホな、と飯田は口元をひきつらせた。






「そろそろ署に戻るぞ」



「あ、はい」






歩きだした七瀬の背中を追いかける飯田。






「そういえば、美里さんでしたっけ。その後どうですか?」



「どうもこうも、善くも悪くも変わりなしだ」





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