アリス図書館‡QUEEN
すぐにイオンが紫麻を連れてやってきた。
逃げようとしたのか、イオンはにがすまいと紫麻の手首を掴んでいた。
「アリス様、紫麻様をお連れ致しました」
紫麻は口元に手をやりカタカタと肩を震わせて青ざめた顔をしていた。
「紫麻」
「ッ・・・」
遊佐が紫麻の名をよぶと紫麻は肩を大きくビクリと動かした。
「帰るぞ」
周りの男達が紫麻をイオンから受け取り遊佐の元へ連れていった。
「迷惑かけたね」
そういうと遊佐は紫麻の肩を抱いて横長の黒い車に向かった。
「ッ、ぁ・・・」
紫麻が何かいいたげにアリスを見たが、アリスは腕を組んで何もせずただ見ていた。
そして声を出さずに、アリスは紫麻に向かって口を動かした。
「 」
「ぇ・・・」
紫麻がそれを読み取ったことを確認すると、アリスはニッと笑った。
『二日後に終わるわ』