アリス図書館‡QUEEN
II
「なんで紫麻をあいつにかえしたんだよっ!?」
紫麻達を見送り夕食の仕度をしている時、聖夜はアリスに詰め寄った。
「あいつを見た時の紫麻、凄い怯えてたぞ!?」
アリスは聖夜が怒鳴っているにもかかわらず、椅子に座り紅茶を飲んでいる。
「オイ!聞いて・・・」
「ここは、ただの図書館じゃないの」
紅茶の入ったカップをソーサーにおき、アリスは聖夜を見た。
「私は代償を貰うかわりに、どんな願いも叶えるわ。絶対にね。でも、あいつらに紫麻を渡さず館内に入られでもしたら、ここの設備がばれてしまう。そうなったら、外のものたちが煩く騒ぎ立てる・・・」
「・・・」
「そんな面倒なこと、ごめんよ」
アリスはそう言って息をはいた。
聖夜は何も言わずアリスをみると、キッチンのほうへと向かった。