アリス図書館‡QUEEN





食事を終え、それぞれ自室に戻った頃、アリスは図書室で本を探していた。館内の電気は消灯時間を過ぎて全て消えている。


そんな中アリスは魔法で光の球を出して自分の周りを明るくしていた。


人差し指を本の背表紙になぞらせながら一冊一冊確認していくアリス。






「・・・ここにもないわね」




「何が?」




「っ!?」






いきなりの声に驚いて振り向くと、そこにはイオンが不機嫌そうに立っていた。


暗闇の中、皆もう寝静まったと思っていた時、音も気配もなく声をかけられれば、流石のアリスも動揺が隠せない。


さらにアリスにはわからなかったが、なぜか不機嫌な様子だから尚更だ。






「い、イオン、なぜ貴方がここにいるのかしら?」




「別に」




「もう消灯時間はすぎたわよ」




「あ、そう」




「自室に戻りなさいよ」




「それは管理人である俺の言葉」




「・・・貴方、何を怒っているのよ」




「別に怒ってない」




「・・・・・・」





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