アリス図書館‡QUEEN
イオンはアリスが暴れるのをやめると、鎖骨あたりに吸い付いた。
「っ!」
ビクッとアリスが肩を揺らし、イオンが口をはなすと、そこは赤くなっていた。
イオンがアリスをみると、アリスは唇を噛み締めて目に涙をためていた。
「・・・アリス、唇から血が出てる」
イオンがペロッとアリスの唇を舐めると、アリスは身体を強張らせた。
「アリス、ごめんなさいは?」
ほんの少し離れてからイオンはアリスを見ながら言った。
「・・・〜っ、ご、ごめんなさぃ・・・・・・」
こうなると勝ち目がないと、長年の付き合いでわかっているアリスは、悔しそうにしながら小さく謝った。
ニッと満足そうにイオンは笑ってアリスから離れた。
「ま、聖夜なら大丈夫だろう?強運だからな」
「・・・だと、いいけど」
考え事をしているように、顎に指をかけて腕を組んだアリス。
イオンは窓から見える空に浮かぶ綺麗な月を、ただ真っ直ぐに睨み付けていた。