アリス図書館‡QUEEN
ピンクと白に統一されたかわいらしい部屋に、一人の少女が座っていた。
一人の部屋にしては広すぎる部屋には、それを紛らわすためかのように、色々なぬいぐるみが置いてある。そして、その部屋に似つかわしくない黒い物体が角のほうに一つずつ、監視カメラが設置されていた。
少女は何をするでもなく、俯きただただそこに座っていた。
コンコン
「どうぞ・・・」
ガチャ
「紫麻、ただいま」
少女――紫麻の部屋に入って来たのは、聖夜を殺させようとした男、遊佐だった。
「・・・お帰りなさい」
紫麻は少しの間の後ニコッと微笑んで言った。
「今日は早かったんですね・・・そちらの方は?」
遊佐の後ろには黒髪をみつあみにして眼鏡をかけたメイドがいた。
「ああ、彼女は今日から君の世話係を新しくする、アリアさんだ」
遊佐が紹介すると、メイドのアリアはスッとお辞儀した。
「・・・華さんは」
華、は紫麻の前の世話係だ。
「紫麻を簡単に逃がしたような役立たずは、我社にはいらない」
そういうと遊佐は部屋からでていった。