アリス図書館‡QUEEN
III
「アリス・・・さん」
茫然と紫麻はアリスを見ていたが、やがて顔を歪めるとわっと泣き出した。
「・・・腕は、あいつにやられた?」
紫麻の腕にはいくつもの痣があった。
紫麻はアリスの問いにコクンとしゃくり上げながら頷いた。
アリスは紫麻に近づくとイオンがしたように優しく抱きしめた。
「・・・貴女に、自由をあげるわ」
そういうと紫麻ははっと息を飲み、何度も頷いた。
「いくわよ。そろそろ聖夜も疲れているころだわ」
アリスは紫麻の手を掴むと立ち上がり部屋をでていった。
−†その頃の聖夜†―
「そこのガキとまれ―――っ!!」
「まちやがれーっ!!!」
「待てって言われてまつやつがいるか!バーカ!」
「んだとゴラ――!!?」
「のわああああッ!!!」
警備員を引き付けて廊下を逃げ回っていた。