アリス図書館‡QUEEN
コツコツとアリスは階段を上がって行った。やがて屋上へと続く扉が現れ、ひらくと一瞬強い風がふいた。
前には手摺りに寄り掛かり街を見渡している遊佐がいた。
「・・・こんなところで、何をしているの?」
数メートルの間を残してアリスは腕組みをして、まるで気兼ねない友達に訊ねるように遊佐に言った。
風がアリスの髪をなびかせる程の風が、こんないい天気に吹いている。
「・・・この騒ぎは君達のせいかい?」
街を見渡しているのかと思っていたが、遊佐の手元には携帯よりも一回り大きめのテレビがあった。
「君の仲間、けっこう強いな。警備員全員倒したよ」
テレビには聖夜とイオンと警備員が映っており、殴り蹴り倒していた。
そこに紫麻の姿はない。
「紫麻は何処に行ったのかな・・・」
パチンと閉じるとそれをしまい、アリスのほうを振り向いた。
「なんでも願いを叶えてくれる図書館。まさかあんなところにあるとはね・・・・・・噂は本当だったんだ」
「あら、うちもけっこう有名になったわね」
フフッとアリスは笑った。