アリス図書館‡QUEEN
遊佐は一瞬悔しそうに顔をゆがめたが、すぐに戻した。
「まあいいさ。一人が二人になっただけだ」
遊佐がパチンとまた指を鳴らしたが、今度は何もおこらない。
遊佐が訝しげにしているとアリスが口を開いた。
「そうそう、有能な仲間はまだいるのをお忘れなく」
アリスが手の平を上に向け屋上へと続いている扉を示せば、そこには聖夜が壁に寄り掛かり立っていた。
足元には黒服に身を包んだ男達が倒れている。
「ぜーんぶ、有能な下っ端が倒してくれました」
ニコッと満面の笑みをアリスは浮かべて言った。
聖夜は下っ端という言葉にハハッと苦笑い。
「チッ・・・まあいいさ」
遊佐は今度は悔しそうな顔をしたままアリス達の横を通り過ぎようとした。