アリス図書館‡QUEEN
いつまでもこうしてはいられない。
仕方無さそうに紙袋を抱えて立ち上がるアリスは、すぐそこが騒がしい事に気付いた。
「何かしら・・・」
暇潰しになるかと興味本意で行ってみると、一人の少女が男に絡まれていた。
栗色の肩につくかつかないかの長さにウェーブがかかっていてぱっちりとした瞳の少女だった。
「だーかーら!暇ではありませんってば!」
「いーじゃん、さっきからウロウロしてただけだしさ?」
「店を探してただけです!」
周りの人達はやはりと言うか何と言うか、助けようともせずに哀れみな視線をなげやるだけで。
アリスは少し考えハァッと溜め息をはいて、言い合っている二人に近づいた。
「ちょっと、二人とも邪魔よ。道端で言い合わないで」
「え」
「ん?君可愛いね!このこの友達?」
男はアリスが話しかけると少女から手を離しアリスの手をとった。
ピクッと眉を動かしたが振り払わずアリスは男を見ながらニッと笑った。
「さっき貴方を捜している女の子が数名いたわよ?コッワーイ形相で」
それを聞いた男はゲッと顔を青白くさせてアリスの手をはらうと走って行った。
「・・・汚らしいわね」
アリスは触られた手をひらひらとふった。