アリス図書館‡QUEEN
それを聞いた紅葉はパアァッと周りに花が咲きそうな勢いで笑った。
「だよね!?私もこれが一番大好きなんだ!」
「・・・・・・」
なんでこんなにずっと笑っていられるんだ?とアリスは思った。
エインセルですらこんなに笑わない。
「あ、アリスさん紅茶とコーヒーどっちがいい?」
「紅茶」
煥発いれずにアリスは言った。
それに一瞬キョトンと紅葉はしたが、またすぐにニコッと笑い了解、と言った。
「このケーキね、李兎が作ったんだ」
「へぇ、そうなの」
アリスは李兎がいれた紅茶を一口呑んだ。
ケーキによくあう味だった。
「このお店も、李兎が経営してるんだ。オーナー兼パティシエだよ」
そう話す紅葉は凄く和やかな笑顔をしていた。
「あなたたち、付き合ってるの?」
「ヘヘ、来週結婚しちゃいまーす!」
そう言って薬指の指輪をアリスにジャジャーンと見せた。
「あら、おめでとう」
アリスはニコッと微笑み言った。
その笑みを見た紅葉は頬を赤く染めた。
「あ、ありがとう」
ケーキを食べ終えたアリスは、真っ白なピアノを見つめてスッと立ち上がった。
「あのピアノいいかしら?」
「?どうぞ」
紅葉は疑問符を浮かべながらも頷いた。