アリス図書館‡QUEEN
アリスは立ち上がり薔薇に近づいた。
「・・・この世に絶対に幸せな物語なんてないわよ。全てのものの裏には必ず闇があるわ」
一輪の薔薇に触れるとアリスはその薔薇をじっと見た。
見ながら、んー、これくらいかしら?いや、もう少し・・・等と一人ぶつぶつと呟いていた。
「?何してんだアリス」
「別に?」
スッとアリスは薔薇から離れると聖夜を見た。
「・・・聖夜は私にプレゼント要求しないのね」
「あー、はなから期待してなかったよ」
聖夜は顔の前で手を振った。
「でも、私にはくれたのね」
「や、店先でエインセルが買ってこいって言ったときについでに!似合いそうかな・・・と」
真っ赤になって言う聖夜にクスクスと笑い、急に真面目な顔になった。
「聖夜、貴方は貴方がしたいように物語は進めなさい」
「え・・・」
意味がわからず戸惑いを隠せず聖夜は小さく声を出した。
アリスはフッと笑うと聖夜の隣を歩いて言った。
「おやすみなさい」
ひらひらと片手を振りながらアリスは歩いて行った。