アリス図書館‡QUEEN

III




聖夜と別れたアリスは昼間に来たカフェに向かっていた。

テレポート等はせず、ゆっくりとしたあしどりで・・・。





道路にはたまに車が通る程度しか人気がない。

やがて窓から明かりがもれるカフェにたどり着いた。扉の取っ手にはCLOSEとかかれた札が下がっていた。






「・・・こないわね」






アリスは首から提げていた小さめの懐中時計を見て溜め息をはいた。

窓から中をみると、紅葉が椅子に座りバイオリンの手入れをしていた。






「どうしようかしらねぇ・・・もう行く「アリスちゃん」






アリスが扉に手をかけようとするとぽんっ、と肩に手を置かれた。

首だけを動かして人物を確認すると、ニッとアリスは笑った。




< 55 / 172 >

この作品をシェア

pagetop