アリス図書館‡QUEEN
「こんな悲惨な事故、悲しい気持ちはあったけど憎い気持ちはなかったよ。だって犯人なんていないんだから。だけどね、もしこの事故に犯人がいたとしたら、私はその犯人がとっても憎いの」
ギュッとバイオリンを胸に抱いた。
「紅葉、さっきから何が言いたい?」
「・・・・・・李兎、堂本さんが事故にあった日、何してた?」
決心したように紅葉は真っ直ぐと李兎を見た。
「ここで新作ケーキを作っていたけど?紅葉にも試食させただろ?」
はぁ、とめんどくさそうに李兎は答えた。
「その日、堂本さんにもケーキ食べさせた?」
「・・・なんで?」
「いいから答えて!」
「・・・食べさせたよ。睡眠薬入りのをね」
「えっ・・・」
「あーあ、どうやって調べたかは知らないけど、黙ってればいいものを」
話しながらじりじりと近寄ってくる李兎に恐怖を感じ、前をむいたまま紅葉は後ろに下がる。
しかし、背中に冷たい硬い感触がした・・・。
「紅葉、ちょっと苦しいだろうけど我慢しろよ」
そういうと李兎は紅葉の首に手をかけた。
恐怖に抵抗出来ない紅葉はされるがまま。