アリス図書館‡QUEEN
「人を殺す時は周りに注意しなさい」
「ッ!その声って」
バッと紅葉から手を離すと壁に背を預けズルズルとしゃがみ込んだ。
李兎が振り返ると、テーブルに足を組んでアリスが座っていた。
「こんばんは。ある者からの願いを叶えに来た、アリス図書館の司書アリスでございます」
チャリ、と首にかけていた鍵を顔横にやった。
「アリス図書館って、都市伝説じゃ・・・」
目一杯見開いてアリスを見る李兎をクスクスと目を細めてアリスは可笑しそうに笑った。
「都市伝説ねぇ・・・まあいいわ。それじゃ、お願いします」
「はいよ、アリスちゃん」
「ッ!?ガッ!!」
アリスの声を合図に李兎の背後から返事と共に影が現れ、次には後頭部に衝撃がきた。
そのまま李兎は床に膝を付きまえのめりに倒れた。
「よっこいせっと」
倒れた李兎を抱え持っていた紅い大きな袋を開き中に李兎をいれ始めた。
「お代は後ほど払うので、また図書館に来て下さい」
「わかった、楽しみにしてるからね、アリスちゃん」
そういうと口紐を縛り、その人物は店の扉から去って行った。
「さてと、紅葉」
扉から視線を座り込んだままの紅葉に向けると、びくっとしてアリスを見た。