アリス図書館‡QUEEN
カンカンカン、と階段をおりていくと人影が見えた。
「代償を貰いに来たわ」
「アリスさん・・・」
壁に寄り掛かり腕を組んでアリスは静を見上げた。
隣には聖夜がいたが、なぜか頭にはたんこぶが。
「最初に言った通り、人の命はその命の分だけ重い。肉親なら尚更ね」
「・・・弟が殺せたなら、私は死んでも構いません」
「そう。ただ、貴女から貰うのは命ではないわ」
「え?」
アリスがいうと静は驚き小さく声をもらした。
「言ったでしょう、命は重いって。その代償は相手が最も大切にしている物が1番見合ってるの」
「大切にしている物・・・」
「たった一人の弟を亡くした今、貴女が大切に思っているのはその声」
アリスはそう言って静の喉元を指差した。
「・・・弟を殺したんだもの、声ぐらい」
「そう。でもね、そんなふうに簡単に渡そうとするのはダメ」
アリスはかわいらしく笑って言った。
隣にいる聖夜はギュッと拳をにぎりしめた。
「じゃあ何を?」
静が不思議そうにアリスにきくと、アリスはスッと手を横にもってきた。
そして―――――。