アリス図書館‡QUEEN
IV
帰り道。
「勝手に私がいないときに契約しないでよ」
アリスは聖夜を睨んで歩いていた。
「イオンさんがやれって言ったんだよ」
「・・・まったく」
はあっと大きな溜め息をはいてアリスは聖夜を睨むのをやめた。
「・・・貴方が堂本裕紀の願いを叶えなきゃ、今回の事はなかったのよ?」
「・・・・・・悪かった・・・」
聖夜の頭にあるたんこぶはアリスが本の角を投げ当てたからだ。
「まあ、すぎたことだし、今回はイオンが悪かったわ」
「・・・もしかして、謝ってる?」
「謝ってるように聞こえないかしら?」
「や、微妙?」
「・・・素直に謝る事が、イオンだと今までなかったから」
聖夜はアリスとイオンのやり取りを思い、ああ、と納得した。
「アリスっていつもイオンさんだと負けてるよな」
「煩いわね、海に投げ飛ばすわよ?」
「ハ、やれるもんならどうぞ・・・や!ウソウソすみません!!!」
聖夜が挑発するとアリスが黒いオーラを出しながら指を鳴らす準備をした。
それに慌てて聖夜は謝り、アリスも鳴らさなかった。