アリス図書館‡QUEEN
「・・・サンキュ」
ボソッというと聖夜は楓莉のもとへ走って行った。
アリスは冬堂兄妹の姿を見て暖かい目で笑って見ていた。
その視線をこの光景に感動中のエインセルに移した。
「エインセル、私ちょっと用事があるから」
そういうとアリスは淵からおり、館内に戻った。
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何時もの客室にアリスが行くと、ドアの隙間から光がもれていた。
「よ、お代を貰いに来たぜ」
窓辺に座って片手をあげた男は李兎を殺した男だった。
「勝手に館内に入って来ないでよ・・・帽子屋」
「だーから、それでよぶな。アリスちゃん」
「貴方こそ、ちゃんとか気持ち悪いわよ」
後ろ手に扉を閉め、何時ものように腕を組んで数歩帽子屋―――セツに近づいた。
「ほぉ、それが協力してやった奴にたいする態度か?」
「それが貴方の仕事でしょう」
「あーあ、ちっこい頃はまだ素直で可愛かったのにな。今は見た目だけかよ」
座ったまま手で高さを表したセツ。
「私は今でも十分素直よ。それでお代は?エインセルは却下よ」
アリスがいうとチッとわかりやすく舌打ちした。