アリス図書館‡QUEEN
「楽しかったでしょう?」
ニッコリと悪びれた様子もなくイオンが言った。
アリスは肯定も否定もせず、チラッとイオンを見た。
(なんで私はこんな奴を好きなのかしら・・・)
今だアリスを取り巻く謎の一つがこれだった。
「アリス今、なんで自分はこいつが好きなんだ?って思った?」
「思ってないわよ」
本当は思ったアリスだったが、言ったら最後、どんな仕返しがあるかわからない。
「アリス様は正直ですね」
「は?」
「私に嘘は通じませんよ?」
え?とアリスがイオンを見ると、可笑しそうに、かつ、どこかバカにしたような笑みを浮かべていた。
「なんでわかったのよ」
「あ、やっぱり思ってましたか」
アリスはしまった!と顔を引き攣らせた。
「私、買い物にでも行ってくるわ」
ガシッ!
「・・・放してくれないかしら」
「私がそう簡単に放すと思いますか?」
ソファーから立ち上がろうとしたアリスの腕をイオンが逃がさない、と掴んだ。