アリス図書館‡QUEEN
だがアリスは慌てる事なくその場にいた。
パシッ!−
「女性がそのような事はされぬほうがよろしいですよ?」
「えっ、あ・・・」
美麗の手はアリスに届く前に紅茶をもってきたイオンに取られた。
「イオン、せっかくの紅茶だったけどもう帰るわよ。玄関まで案内してあげて」
イオンがもってきた紅茶を飲みながらアリスが言うと、イオンは美麗を見た。
アリスの時同様、頬を赤く染めながら美麗はイオンを見つめていた。
「それでは美麗様、参りま「イオン〜」
イオンの台詞を遮りながらエインセルがやってきた。
「イオンに電話だよ、シドって人から」
「シドから・・・?」
少し目を見開いたイオンがエインセルを見れば、うん!と頷いた。
一方アリスはシドからと聞いて訝しげに眉をあげた。
「かわりに聖夜に行かせれば?」
「・・・よろしいでしょうか、アリス様」
申し訳なさそうにきいてきたイオンに、一つ溜息をはいて瞳を閉じた。
「エインセル、聖夜をよんできて」
「は〜い」
「・・・申し訳ございません、」
飛んで行ったエインセルに続きイオンも一礼して部屋を後にした。