アリス図書館‡QUEEN
少しして聖夜がエインセルに連れられて来た。
「聖夜、美麗を玄関まで案内してちょうだい」
「ああ・・・」
チラッと聖夜が困惑気味に美麗を見れば、やはりじっと聖夜を見ている。
玄関でもこんな感じだったのだろう。
見ていてアリスは思った。
「・・・あの、アリスさん。本当に私の願いは叶えてもらえないんでしょうか」
ドアから出る前に肩ごしにアリスを見ながら言った。
「何度も言わせないで。答えはかわらないわ」
視線は向けずに紅茶を飲んでいるアリス。
そんなアリスの態度に諦めがついたのか暗い表情でまた歩き出した。
「・・・」
出ていったのを確認すると、アリスは背後にある本棚の鍵を開け一冊の本を取り出した。
その本はいつかのあの真っ黒な本だった。
「・・・暇潰しぐらいにはなりそうね」
パラパラと本をめくり、そう呟いた後口元に笑みを浮かべた。