アリス図書館‡QUEEN



「あ、そういえば・・・」


「なんだい?」




歩き去っていくと思っていたイオンだったが、立ち止まりアリスが振り向いたので軽く首を傾けた。



「シドから何の連絡だったの?」




三日月だったが、天窓からはちゃんと月明かりが入り込んでいた。


その月明かりが照らすアリスの顔は、全くの無表情だ。



「別に?ただの世間話さ」



「・・・言いたくないってわけね。だったら無理には聞かないわ。

おやすみなさい」





そういうとアリスは今度こそ去って行った。









「・・・覚えていてよアリス。俺は何時も君の味方だから」



聞いてるはずのない相手に向かってイオンはポツリと言った。
< 89 / 172 >

この作品をシェア

pagetop