アリス図書館‡QUEEN
「あ、そういえば・・・」
「なんだい?」
歩き去っていくと思っていたイオンだったが、立ち止まりアリスが振り向いたので軽く首を傾けた。
「シドから何の連絡だったの?」
三日月だったが、天窓からはちゃんと月明かりが入り込んでいた。
その月明かりが照らすアリスの顔は、全くの無表情だ。
「別に?ただの世間話さ」
「・・・言いたくないってわけね。だったら無理には聞かないわ。
おやすみなさい」
そういうとアリスは今度こそ去って行った。
「・・・覚えていてよアリス。俺は何時も君の味方だから」
聞いてるはずのない相手に向かってイオンはポツリと言った。