アリス図書館‡QUEEN



和風な大きな屋敷。


その辺りにある家はどれもこれも普通より大きめな家ばかりだ。





「あら、美麗ちゃん!それに憂ちゃんじゃない!」




その家の中に入ろうとしていたのは図書館にやってきた美麗。


それとセミロングのふわっとした髪のかわいらしい女の子、憂(ウイ)だった。



「お、ばさん・・・」


「こんにちは」




会いたくなかった、というような顔をする美麗とは違い、憂は笑顔で挨拶をした。



「憂ちゃんはいつでも笑顔ねぇ。美麗ちゃんもせっかくかわいいんだから笑顔でいなきゃ」




嫌味なんかじゃなく、ただ本当にそう思って言っただけなのだ。


だが美麗にとっては感にさわったのか憂の手をとると黙って門を開け中へ入って行った。








「ちょっ、美麗?あんな態度失礼だよ!」




広い庭を通り抜けながら憂が言っても、美麗は黙って歩いていく。

そんな美麗の態度に憂はハァ、と小さく溜息をはいた。



「全く、美麗ったら。
そんなんだから学校でも皆に遊んでもらえなくなるんだよ?」




「誰も遊んでなんて言ってない。第一、こんな姿じゃ誰も遊ばない。それに、私には憂がいればいいの」




「美麗・・・」





前をむいたまま美麗が言えば、憂は困惑した顔をした。
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