アリス図書館‡QUEEN
III
「うわぁっ!?」
「・・・聖夜、貴方何しているの?」
アリスがキッチンに行くと聖夜が床に座り込んでいた。
数本の包丁がギリギリ刺さらない所に刺さっているというオプション付きだ。
どうみても危なかったという状況にも関わらず、アリスは顔色一つ変えずに尋ねた。
「何しているの、じゃねーだろ!そこは心配しろよ」
「大丈夫?で、何があったの」
心配していると微塵も感じられない声と態度に聖夜はこいつ、と思った。
「上の棚から包丁が落ちてきたんだよ」
はぁと溜息をはきながら上の棚を指差した。
視線をむけると棚の扉が開いている部分が。
それを見たアリスは目を細めたが包丁に視線を向けていた聖夜は気付かなかった。
「それにしても、なんで上の棚にあったんだ?
いつもはそこにあるのに」
「・・・いい度胸じゃない」
「は?」
「聖夜、せいぜい死なないようにね」
意味ありげに笑むとアリスは砂糖の瓶を持って去っていった。
「・・・え゛」
その言動に聖夜は頬を引き攣らせた