初恋をもう一度。
帰宅して風呂からあがると、食事の進みが遅いことを気に掛けてきたのは母・由紀子だった。
今にも「具合でも悪いの??」と訊ねてきそうな顔をしている。
「あんた、具合でも悪いの??」
ほらきた、と思った。
「…別に。ただ疲れた」
「そう。今日は何でか早く出てったもんねぇ」
ま、食べたら早く寝なさいよ、と言うと、由紀子は自分の食器を流しに運んだ。
父親と中学3年になる妹・亜紀は帰りが遅くなることが多く、夕食は大概、母親と2人だった。
今日は朝から色々な事があって異様な疲労感に襲われた。
そのままカーペットに横たわると、すぐに眠りに堕ちていった。