初恋をもう一度。
「…唯??」
振り向くとそこには唯がいた。状況はわからなかった。
「…どう…した??…なんで…」
「ごめんね、家の前で待ち伏せなんて」
相変わらず屈託のない笑顔を見せた。
「いや…」
「今朝ね、佐野くん…恭くんに会って、私考えてみたんだけど…」
「え…??」
「これ」
そう言うと彼女は半分に折られた一枚の紙片を差し出した。
「私ね、仲良かった気がするの。…恭くんも、私のこと唯って下の名前で呼んでるし」
「…」
「だから迷惑じゃなかったら、またお友達になって??」
予想外の事に恭平はどう対応したら良いのかわからなかったが、唯が紙片を差し出したままなのに気付き、慌てて受け取った。
広げてみるとそこにはケータイの番号とアドレスが書かれていた―。