初恋をもう一度。
「いや、あの…」
「ううんっ、いいんです!!!」
「え??」
「そういう気持ちもあるかもしれないです。佐野先輩は…鋭くて…きっと真面目なんだなぁって…思います」
彼女の目は少し潤んでいた。
「ちょ…」
「早く着替えたらっ、ちゃんと練習、参加してくださいね??みんな、佐野先輩がいないと張り合いがないって…待ってるんですから」
そう言うと、掃除道具を置いたまま更衣室を出ていってしまった。
その感情の抑え方は唯に似ていた―。