初恋をもう一度。
そう、唯に似ているんだ。感情を抑えているのがこちらに分かる、そんなぎこちない隠し方が。
初めに河音涼子と顔合わせで会った時、妙に苦手意識があった。
それは「マネージャー」というものに対する個人的な違和感、嫌悪感と同時に唯の記憶にまで遡る。
そこまでいくと、今でも胸が苦しくなる。
河音が更衣室を出ていった後どうするか迷ったが、ユニフォームを着るとグラウンドの練習に加わった。
思いを晴らすようにして練習に打ち込んだ。
汗を流して一息つくと、河音がスポーツドリンクを部員に配っていたが、あまり落ち込んでいる様子はなかった。
結局謝るタイミングが掴めないまま、ひとりそそくさと帰ってきてしまった。
明日は土曜、とにかく帰ったら休もうと思った。