初恋をもう一度。
カフェ
先程までよりも陽当たりが良くなっている。
「恭くん、ありがとうね」
「ん…??」
「男の子には花屋って少し退屈でしょ」
「いや…たまにはいいよな。嫌いじゃない」
唯と一緒なら、という言葉が頭の中で後付けされる。
「そっか、よかった。…この後どうする??もう私の用事は済んじゃったし」
「あ、あのさ…」
朝食を摂ってこなかった恭平の腹が鳴った。
2人は近くのカフェに入る事にした。
このカフェもアンティークな造りで、明るく心地好い音楽が流れている。
向き合う形で席につくと、2人に少しだけ緊張感が生まれた。
「唯は腹へった??」
「ん~、お昼は食べてきたけど、デザートいっちゃおうかな」
店員を呼ぶと、恭平はカルボナーラを、唯はティラミスを頼んだ。
「結構メニュー変わったなぁ」
「え??」
「あ…俺ら前にも来てんだよ、この店」
「え~!ここにも~??」
「やっぱ覚えてないよな」
「…ごめんね??」
唯は困ったように笑う。