初恋をもう一度。

カフェ


先程までよりも陽当たりが良くなっている。


「恭くん、ありがとうね」

「ん…??」

「男の子には花屋って少し退屈でしょ」

「いや…たまにはいいよな。嫌いじゃない」


唯と一緒なら、という言葉が頭の中で後付けされる。


「そっか、よかった。…この後どうする??もう私の用事は済んじゃったし」

「あ、あのさ…」


朝食を摂ってこなかった恭平の腹が鳴った。


2人は近くのカフェに入る事にした。

このカフェもアンティークな造りで、明るく心地好い音楽が流れている。

向き合う形で席につくと、2人に少しだけ緊張感が生まれた。


「唯は腹へった??」

「ん~、お昼は食べてきたけど、デザートいっちゃおうかな」


店員を呼ぶと、恭平はカルボナーラを、唯はティラミスを頼んだ。


「結構メニュー変わったなぁ」

「え??」

「あ…俺ら前にも来てんだよ、この店」

「え~!ここにも~??」

「やっぱ覚えてないよな」

「…ごめんね??」

唯は困ったように笑う。
< 40 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop