初恋をもう一度。
恭平はひとり、帰路で考えていた。
これから、どうするべきか―。
泉は、待っていればそのうちに連絡をくれるだろうと言ったが、恭平はそうは思わなかった。
きっちりとした唯の性格なら、例え社交辞令でも何かしらの返事はするはず。
あんな別れ方をしてしまった自分を償いたかった。唯の屈託のない笑顔を1年振りに見た時に思った。
もう1度、誠意を尽くすことで償おう。そして、やり直したい―。
そう決意した矢先の事態だった。
しかし、とりあえずは様子を見た方が良いのだろうかとも考える。
答えの定まらぬまま、今日もまた帰宅した。