初恋をもう一度。


恭平はひとり、帰路で考えていた。


これから、どうするべきか―。


泉は、待っていればそのうちに連絡をくれるだろうと言ったが、恭平はそうは思わなかった。

きっちりとした唯の性格なら、例え社交辞令でも何かしらの返事はするはず。


あんな別れ方をしてしまった自分を償いたかった。唯の屈託のない笑顔を1年振りに見た時に思った。

もう1度、誠意を尽くすことで償おう。そして、やり直したい―。


そう決意した矢先の事態だった。


しかし、とりあえずは様子を見た方が良いのだろうかとも考える。

答えの定まらぬまま、今日もまた帰宅した。
< 45 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop