初恋をもう一度。
相談
「確かにそれは変だな」
教室で恭平の真後ろの席につく泉翔太―いずみ しょうた―は、恭平の話を聞くと椅子を斜めに傾けた。
「仮にお前との事、無かったことにしたかったとしても、そんな風には言わないだろうしな」
「な、なんて事言うんだよお前は…。まぁ、そんな嫌味っぽい感じじゃなかったけどな、確かに」
「他に気付いたことはないのか??」
「時間にして2分も話してねぇからな…。でも妙に…明るいっつか…」
「妙にっていうのは、わざとらしいって意味か??」
「いや…なんか子供っぽい…、最後に会った時よりも、中学ん時みたいな…」
「わからんな」
「だな」
妙に心がもやもやし出して、それを吐き出すかのように自然とため息をついた。
「どうして理由を訊ねなかったんだ??」
「いや、まさか会うと思わなかったしな。呆然としてるうちに置いてかれたよ」
恭平はみっともない自嘲的な笑みを浮かべた。
「明日も通学時間を合わせてみたらどうだ??」
「まぁ、その手もあるな」
「その手しかないだろ」
「あ、あぁ、まぁ…」
泉は至って淡々と話した。