初恋をもう一度。
マネージャー
「夢…か……」
泣きながら眠りに落ちたせいで、鏡を見なくても目が腫れているのが十分に判った。
「…みっともねぇ」
時計を見ると8:30だった。
「うわ、やべぇ!!!」
恭平は一気に制服へ着替え、朝食も摂らずに走って登校した。
通学路でも昨夜、妹から聞いた事について考えてはいた。
しかし、唯の母親に直接尋ねるのはあまりにも恐ろしい。
どうしたら良いのか判らず、叫びだしたい気持ちになったが、学校に着いたら1番に泉に相談しようと思った。
「泉っ!!!」
教室に入るなり、彼を探した。
が…
「…い…ずみはまだ…来てねぇぞ」
教室に入ってすぐの所にいた男子生徒は、辺りを見回すとそう答えた。
「…そうか」
こんな時こそ泉の力を借りたかった。
しかし今日、彼はとうとう学校へは来なかった。