初恋をもう一度。
もしも今すぐに会ったなら、泣き出すのではないだろうか―
そう思わせる程、無理矢理に繕った明るさを彼女の声に感じてならなかった。
そして、できるなら自分の肩を貸してやりたいとも思う。
その後、唯の希望で都内にできたばかりの遊園地に行くことに決まった。
約束を取り付けられたにも拘らず、恭平はどこか不安だった。
そのまま彼女が消えてしまうような、どこかへ行ってしまいそうな、そんな気がしてならない。
どうして泣きそうな声で笑うのだろう。
どうして何も言ってくれないのだろう。
もしかして…
恭平は、母親や弟から昔の自分との関係を聞いたのだろうかと考えた。
土曜になれば何かしら話が聞けるかもしれないが…。