初恋をもう一度。
恭平はカーキグリーンのボトムスに、赤いチェック柄のネルシャツをはおっていたが、今はそれを脇に置いて、白い半袖のトップス1枚になっている。
「今日はほんと、急にあったかくなったね」
「そうだな、唯はこのぐらいの方が動きやすいだろ」
寒がりで冬が苦手な唯はうなずいた。
「ん、ごちそうさまっ」
最後のおにぎりを食べ終えると、唯が冷たいお茶をついで渡した。
「ありがと」
「遊園地、来られてよかった。何年ぶりかなぁ」
「次、どうする??」
「んー…観覧車は最後に乗りたいな。まだお昼過ぎだし…」
「お化け屋敷行ってみるか。あ、苦手だったっけか??」
「…ううん」
今まで2人で遊園地にきた事はなかった。だから自分の知らないところで我慢してきたのかも知れない。
「本当はずっと前にも来たかったよな…」
「え…??」
穏やかな表情で語りかける恭平に、唯は少し驚いた様子でいる。