初恋をもう一度。

「恭くんが…どういうつもりか知りたかった」

「……」

「私ね、記憶戻ってから辛かった…。少し前までは恭くんのこと考えると…何だかドキドキしたのに。…なのに、思い出した途端に怖くなったの」

恭平はもはや唯のうつむく顔を覗き込む勇気もなかった。

「この人はどういうつもりで…私に関わってきてるんだろうって。…だから、この前電話かかってきてびっくりした。…でも…怯えてたって何も確かめられないでしょ??」

唯は涙を手の甲で拭うと、左に座る恭平の方を向いた。

「だから、今日は頑張ってきたよ」

「…唯は俺のことはもう…嫌いだよな…そこまで思い出したなら」

「……」

「俺は…2週間前に偶然会って、やっぱり唯のことが好きだって思った。それに、酷いこと言ったのを…償いたいって思った」

「それって…同情??」

「いや。初めから…嫌いなんかじゃなかったんだ。会えないのが辛くて意地張った…。別れたら…嫌われたらもっと会えなくなるのにな。傷つけたことも今は…すごく後悔してる」
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