初恋をもう一度。
「涼し~」
帰る方向が同じの一矢は、ひんやりとした風を受けて気持ち良さそうに伸びをすると、少し日焼けした腕を軽くさすった。。
「あのさぁ、あの子可愛くない??マネージャー」
「ん、今月から入った方??」
一矢は唐突に話しだした。
「そうそう。河音涼子―かわね りょうこ―ほんわ~ってしてて、いいよなー、ああいうの」
「あー、お前ああいうの好みだったっけか」
恭平はあまり興味無さそうに答えた。
「そーねっ、気ぃ強そうなのはパスだな」
「でもなぁ、なんかマネージャーとかって裏ありそうで俺はパスだな」
「えー、何その裏って」
「いや、まぁ個人的なあれだけどな。別にユニフォームなんていちいち洗うこともねぇし、やりたければ各自で良くねーか??」
「うわー、信じらんね」
一矢は引いた様子で恭平を見る。
「サッカーが好きとかより青春半分で騒ぎたいだけみたいじゃねーか」
「いいじゃん!!!青春いいじゃん!!!」
「…まぁいいや、俺は関係ねぇし」
はしゃぐ一矢は小学生の頃からまるで変わらないなぁと恭平は思った。