初恋をもう一度。
「あら、恭平くんと一矢くんじゃない」
声をかけてきたのは、唯の母親だった。恭平よりも早く一矢が声をあげた。
「うわー!!!お久しぶりっす」
「ほんと、久しぶりねぇ。学校の帰り??」
「残って、こいつとサッカーしてたんすよ」
「ど、どうも…」
「…そう、ちゃんと続けてて偉いわねぇ」
「いやいや~」
一矢が調子よく返す。
「それじゃあ、これからも頑張ってね」
「はいっ!!!」
気のせいだろうか。
唯の母親は一矢に一瞥すると、恭平を一瞬睨むような目つきで横目に流し、去っていった。