野良猫の憂鬱
プロローグ
天に届くほど高い“バベルの塔”を作ろうとした人間。
神はそれを傲慢と蔑み、言葉を混乱させた。
彼らが意思疎通できないよう。
けれど人間は増えていく。
子ができ、孫ができ…
そうやって毎日、毎日。
そうして人間は再び傲慢を生み出す。
ねぇ、神様。
言葉を混乱させるのではなく、言葉をなくしてしまえばよかったのに。
そしたらきっと、こんなに苦しい世界はなかったのに。