野良猫の憂鬱
「あぁ、もう!なんだっていきなり………」
派手な音を立てて落ちてきたのにも関わらず、その人物はスクッと立ってパンパンと服を払う。
落ちてきたヒトは驚くほど美しい少年だった。
木々の間から漏れる木漏れ日に透けるふわふわとした金色の髪。
まるで白磁みたいに透き通る白い肌。
俯きがちに伏せられた瞳は美しく煌めくエメラルドグリーン。
真白い肌にかかる金髪を少年とは思えない細い指で払う仕草が妙に色っぽい。
「………さて、と」
一通り埃を払い終わった彼が視線を上げ、
「………あ」
小さく声をあげた。