紫陽花なアイツ
降りそうだな…。
空を見上げて思う。
「唯(ユイ)も誘ったからね。」
真生は言う。
中澤唯(ナカザワユイ)。
あたしの通う女子校のクラスメートだ。
「唯も彼氏?」
あたしは聞く。
「…うん。」
申し訳なさそうに、真生は頷いた。
ということは。
残ったあたしと、向こうの男子が一緒にならないといけない。
相手が決まってるって…。
彼氏探しでもなんでもないじゃん。
心の中で溜め息をつきながら、あたし達は唯を待った。