紫陽花なアイツ
何故か買い出しに出されたあたしと葉介。
近くのスーパーまで、葉介はバイクで行くらしい。
「あ…歩いていこうよ。」
あたしは葉介の服の裾を掴む。
面倒、という目で見る。
「早く乗れ。」
服を掴んだ手を逆手に取られて、葉介の背中に顔を突っ込んだ。
鼻を押さえながら、渋々と葉介のバイクの後ろに乗った。
前に手を回して、背中に顔をくっつけた。
遊園地以来の懐かしい感じ。
がくんとバイクが止まって、あたしは手を離した。