紫陽花なアイツ

スーパーに入って、あたし達は卵のコーナーに行った。

「なんでお前が払うんだよ。」

レジでお金を出しかけたら、葉介が言う。

そして自分がお金を払った。

卵ひとパックくらい買えるのに。

あたしは貧乏に見えるのかな。

その事を考え出していたら、先に葉介が歩いていってしまった。

見上げた真っ暗な空に、星が輝いてる。

「葉介、あの星なんだっけ?」

あたしは一番輝いている星を指差した。

あぁ?と葉介があたしの方を向いた。

「あれ?紫陽花くんじゃん。」

そんな甘い声が聞こえた。





< 101 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop