紫陽花なアイツ
スーパーに入って、あたし達は卵のコーナーに行った。
「なんでお前が払うんだよ。」
レジでお金を出しかけたら、葉介が言う。
そして自分がお金を払った。
卵ひとパックくらい買えるのに。
あたしは貧乏に見えるのかな。
その事を考え出していたら、先に葉介が歩いていってしまった。
見上げた真っ暗な空に、星が輝いてる。
「葉介、あの星なんだっけ?」
あたしは一番輝いている星を指差した。
あぁ?と葉介があたしの方を向いた。
「あれ?紫陽花くんじゃん。」
そんな甘い声が聞こえた。