紫陽花なアイツ
「名前は?」
戸惑うあたしは葉介にあの子の名前を聞いた。
どうしたんだ、葉介!?
耳聞こえなくなっちゃったの?
「シリウスだ。」
シリウス!?
あの子の名前、シリウスって言うの?
世の中、日本の子供にカタカナを付ける親なんているんだ…。
あたしなんて夜志乃だよ?
しかも桜の名前。
「…って、違う!!あの子の事言ってるの!」
そう、葉介の言っていた名前は星の方。
あたしは星を差していた指で女子を差す。
「あ?」
面倒そうにそっちに顔を向けた。