紫陽花なアイツ
なんでそんな声出すの?
葉介は、女子を眼で捕らえる。
「何してるの?」
女子は、さっきよりも棘のある声を出した。
…もしや、これは。
修羅場??
あたしは緊迫した空気に葉介から出る言葉を待った。
「買い物しに来ただけだけど。」
当然の如く答える葉介。
違うよ、違うよ。
そんな事聞いてるんじゃないと思うよ、この人。
「その女、誰?なんで一緒にいるの?」
“その女”と指さされたあたし。
こんがらがっていく。
誤解が…。
誤解が今、目の前で生まれそうになっている。