紫陽花なアイツ
葉介は、何もなかったかのようにバイクに跨った。
あたしは少し、後ろに乗るのを躊躇する。
…怒ってる…。
葉介サン!!機嫌を直してくださいな!!
でも、乗らないと平気で置いてけぼりをくらいそうだったから、あたしは乗った。
「…ねぇ?」
あたしは大きい背中に問う。
その問は、声にはならなかった。
藤崎家に帰ると、葉介のお母さんが待ってましたと言わんばかりに卵に飛びついた。
「ありがと、早く座って。」
ねぇ?
あたし、いつまで葉介の幼なじみで居られるのかな?