紫陽花なアイツ
気ヅイタ気持チ
寒い冬だった。
進路やら何やらで、周りが煩くなる。
特に親が煩いらしいけれど、あたしにはそんな存在は遠くて。
「はぁ…。」
いつも笑顔いっぱいの真生までもの生気を吸い取っていくらしい。
「巧のこと?」
1日に一回は溜め息をつくようになってしまった真生。
「うーん…。」
巧と真生は同じ大学に行きたいらしい。
でも、巧の家は五人兄弟で金銭の負担が大きい。
あの男子校は、素行は悪いけど、偏差値は悪くない。
だから真生はすごく迷っている。