紫陽花なアイツ
噂
受験シーズンが終わった。
あたしはただ穏やかに過ごした。
受験が終わったら、もうすぐ卒業だし。
静かに過ごしていたからかもしれない。
「…まじ?」
「本当だったら、どうなるんだろう?」
「学校辞めんの?」
教室の隅、廊下の端からそんな会話が耳につくようになった。
どうせ変な噂だろうと、あたしは首を突っ込まないでいた。
珍しく真生と唯と三人でお弁当を食べていた。
「…最近、変な噂聞かない?」
会話が少なくなって唯が出したのはその話題。
「変な噂?」
真生も知らなかったみたいだった。